私は子供の頃親族のお葬式に参加したことがありませんでした。
でもうちの子供たちはもう二回も参列しています。
やはり身近な人がいなくなってしまう、もう会えなくなるという経験は
子供たちも大きな影響を与えました。
今までも絵本や映画、ニュースなどで「誰かが死んでしまう」という
事を想像しては恐れ、泣いたりしていました。
そしてまた実際に身近な人の死を経験して、ただ恐怖だけの死が
もっと身近なものであることを知ったと思います。
ただ、夜中に思い出しては泣いたりすることが続いたので
心のケアのためにこの本を購入しました。
このあと どうしちゃおう
ヨシタケシンスケ
ブロンズ出版 ISBN 9784893096173
1400円+税
この本は「りんごかもしれない」「りゆうがあります」などで大人気の
ヨシタケシンスケさんが描いた「死」に向かい合う絵本です。
しんだおじいちゃんが描いた「このあとどうしちゃおう」ノート。
・生まれ変わったら何になりたいか
・天国って地獄ってどんなところか
・神様ってどんなひとだろう・・・
生前のおじいちゃんが夢いっぱいにつづっています。
といっても随所にヨシタケシンスケさんらしい、
ワクワクするような、プッと噴き出すようなユーモア満載。
子供も怖がることなく読み進めてくれるはずです。
でもそれだけで終わらないのがこの絵本の素晴らしいところです。
おじいちゃんはこのノートをどんな気持ちで描いていたのかな?
死はただ怖いだけのものではなく、生きる事とセット。
おじいちゃんの死を受けて、ラストでは「ぼく」はどんな行動をするのでしょうか?
我が家の子供たちもこの本が好きで、
読むと「死んだおばあちゃん楽しくしてるかな」などと言って思い出すようです。
今はすこしさみしく、でも穏やかな気持ちで親族の死に向き合えているのを感じます。
1冊の中に子どもが大好きなくだらなさと、大人も唸るような哲学が描かれています。
秋の読書にいかがでしょうか?