2月16日、長い間世界中の人々から愛されていた
「うさぎのミッフィー」の作者である
ディック・ブルーナさんが亡くなりました。
きっと日本の子どもたちも一度は目にしたことのある
「ミッフィー」「うさこちゃん」。
ミッフィーの絵本たちは
とにかく色がきれい!鮮やかでシンプル。
赤ちゃんへの絵本にもぴったりです。
文字も多くなく、でも大切な事がかかれていて
幼児になってくると、そのシンプルすぎる内容から
自分で「これはどういう事なのかな」と考えるきっかけにも
なる絵本です。
多くを語りすぎない、説教じみていない内容は
大人でも考えてしまう事も。
そんなシリーズの中でも特に印象的な二冊をご紹介します。
まずは
「うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん」
作 ディック・ブルーナ
訳 松岡享子
福音館書店
ISBN-10: 4834023184
ISBN-13: 978-4834023183
700円+税
福音館書店 「うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん」
うさこちゃんのだいすきなおばあちゃんが亡くなります。
うさこちゃんは初めておじいちゃんが泣くのを見ます。
お葬式で家族みんなが涙を流し、棺にはいるおばあちゃんを見て
そしてお別れをします。
内容はうさこちゃんのシリーズらしく
多くを語りすぎません。
うさこちゃんの目線でお葬式が進んでいきます。
我が家の子どもたちは、園児になってから2回親族のお葬式を経験しました。
普段泣かない大人が泣く姿、やさしくしてくれた人への永遠のお別れ。
子どもたちは私もびっくりするくらい、ワンワンと泣きました。
そして、キチンと最期のお別れをしました。
それから、やっぱり死に対して色々考えることもあるようです。
お葬式の後は恐怖からか、何度か悪夢も見ていました。
最近は死を描いた絵本も出てきていますが、この絵本の良いところは
とても淡々としていて、事実だけが述べられています。
何回も何回も読む絵本ではないのですが、
シンプルながらも家族への愛情を感じられ
たまに手に取ってみたくなる絵本です。
そしてもう一冊。
「うさこちゃんときゃらめる」
作 ディック・ブルーナ
訳 松岡享子
福音館書店
ISBN-10: 4834024369
ISBN-13: 978-4834024364
700円+税
福音館書店 「うさこちゃんときゃらめる」
表紙と題名ではわからないのですが、これはうさこちゃんが
万引きをしてしまう絵本です。
ある日うさこちゃんはおかあさんとクッキーを買いに行きます。
色とりどりの美しいキャラメルに心を奪われたうさこちゃんは
こっそりとぽけっとに入れて持って帰ってしまいます。
それからうさこちゃんは・・・?
うさこちゃんは夜眠れなくなります。
あんなに美しくて、おいしそうな、欲しかったキャラメルたち。
でも盗んでしまった後はずっと心が重いのです。
そしてお母さんと一緒にお店に返しに行きます。
子どもの心が丁寧に、そしていつものようにシンプルに描写されています。
「でも これは じぶんの したことです」
うさこちゃんは決意します。
私はこの絵本は「万引きをしたらダメ」「悪いことをしたら謝る」
などの道徳的な意味合いはもちろんですが
親子の愛の話だと思います。
様子が変なうさこちゃんにすぐ気が付いてあげるお母さん。
話を聞いてあげるお母さん。
一緒にお店に行ってくれるお母さん。
受け止めてくれるお母さん。
子どもも大人も少しドキドキハラハラしながら、
親子の結びつきも感じられる一冊です。