保育園・幼稚園の入園を機に
春から復職・働きはじめるママも多いのではないでしょうか?
特に初めての入園や久しぶりの仕事はお互いに不安がいっぱい。
そんな親子におススメの絵本をご紹介します。
「よるくま」
作・絵 酒井駒子
出版社: 偕成社
発行日: 1999年11月
ISBN: 9784033312309
対象年齢 3,4歳から
19cm×25cm
32ページ
価格 1000円+税
偕成社 よるくま 公式ページ
「こんな かわいい よるくまを おいて おかあさん どこにいったの。」
ある日の夜中
男の子のところに「よるくま」が来ます
「よるくま」は目が覚めたらおかあさんがいなかったと言って
夜の街を2人で彷徨いながら
大好きなお母さんを探します
「おかあさんはどこにいったの?」
「でも、いないんだよ」
夢の中のような現実のような、不思議な世界を冒険しながらも
心がざわざわするような不安な描写が続きます。
おかあさんがいない
よるくまの寂しさ、不安、疑問
なんでおかあさんはいないの?
おかあさんはどこにいったの?
切ない気持ちがとうとうあふれ出します。
きっとこのお話を聞いている子どもも
よるくまと一緒に不安な気持ちになるかもしれません。
「どうして置いていくの?」と腹が立つかもしれません。
「おかあさん おさかなつって おしごとしてたの」
そう おかあさんは「お仕事」に行っていたのです。
明日食べる朝ごはんのため
よるくまが欲しがっていた自転車のため
一緒にたのしいところにたくさん行くため
不安な気持ちから
おかあさんに会えた、子どもに会えた瞬間のうれしさ、安心感を
よるくま親子と共に感じることができます。
ただただ大好きなおかあさんと一緒にいたいだけの大泣きする子ども
そんな気持ちを痛いほどわかっていながらも
家族のため、自分のため、明日のために働きに行くお母さん
この本はワーキングマザーとその子どもへの応援本でもあると思っています。
この本の良い所は後味がとても温かく
あくまでもファンタジックに終わります。
その中で
離れる時間もあるけど
愛しているよという
親子の気持ちと
お仕事って嫌なものじゃなく、楽しい明日のためのものなんだよと
という隠されたメッセージが込められていると感じました。
入園前のこころの準備にぴったりな1冊だと思います。
我が家でもみんなが大好きな本で
よるくまが寂しくて泣くシーンは
「ぼくと一緒だね~」なんてニヤニヤしながら照れ笑いしたりしています。
私は私で読みながら
子どもが実は我慢したり陰でがんばっている事や
スキンシップが大切なことを思い出させてくれる
初心にかえる1冊でもあります。
(絵本画像ははすべて 作・絵 酒井駒子「よるくま」より)