液状ミルクが親子の防災を変える?

掲載日:2016年10月24日

熊本地震のフィンランドの物資支援や署名運動に後押しされ
以前から要望の声が上がっていた
「液状ミルク」の解禁に向け、政府が動き始めている。
「液状ミルク」が店頭にならぶようになるまでには
まだ少し時間がかかりそうだが、
今後の「ママ目線の防災」に大きく影響しそうである。

そもそも液状ミルクとは?

現在日本で販売されているのは「粉ミルク」か粉を固めた
キューブ状のもので、液状のミルクの販売は認められていなかった。
しかしながら欧米では粉ミルクと同様に
「液状ミルク」も一般的に使用されており
薬局やスーパーで誰でも購入できる。

液状ミルクは1本約200ml(メーカー・商品により異なる)の
個装パックやペットボトルになっていて、希釈せずに使用する。
そのまま哺乳瓶用の乳首を取り付けて使用できるタイプもあり、
使い捨ての哺乳瓶用や乳首も販売されている。

・希釈せずに使用するのでお湯や水がいらない
・開封してすぐに飲むことができる
・未開封なら常温で約5ヶ月保存できる(メーカー・商品により異なる)
・そのまま破棄できる
・持ち運びやすい

などのメリットがあり

・粉ミルクより価格が高い
・量の調整が難しく、あまり飲まない子には破棄量が多くなる
というデメリットがある。

安全性に関して

安全性に関してはWHOとFAOが定めるガイドラインでは、
粉ミルクよりも液状ミルクを推奨している。
欧米では産院でも使用されており
衛生面においてプロセスや使用道具の多い粉ミルクよりも安心かもしれない。

震災のたびに上がる声、しかし認可、商品化にはつながらず

阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震と大規模な震災が起こるたびに
液状ミルクを必要とする声は上がっており、
実際にフィンランドから液状ミルクが届き、助かったという声も多い。

震災の中で清潔な水・道具・煮沸用のお湯・粉ミルクのすべてを
そろえるのは困難だろう。
また普段は母乳であっても過度のストレスから母乳が出なくなるケースも多い。

懸念点は、倉庫で保存する場合の保存状態が品質を保てるか、
発売されたとして多くの親子が使用できるコストかどうかである。
しかしたとえ一本当たりの価格が3~4倍であったとしても
ニーズは間違いなくあると思う。

当HPでも防災袋にありそうなもの、手に入りそうなもので
温かいミルクの調乳を行っているが

【ママの防災】防災袋にあるもので温かいミルクを作ってみた
実際にものすごく手間がかかる。
これは一手段として知っておいてほしい気持ちから掲載しているが
実際に泣く子どもを前に、母親がこのプロセスを踏むのは不可能に近い
だろう。
もしこのような方法を行う場合は専属で手伝ってくれる人が必要になる。

自宅の備蓄はもちろん、地域の備蓄庫に液状ミルクが用意できれば
乳児のいる家庭ではどんなに助かるだろうと思う。
日常的な使用に関しては各家庭の方針によるが
防災面に関してはぜひとも製品化してほしい。

今回政府が検討をはじめたので、あとはメーカー側が製造してくれるかも
大切なポイントとなってくる。
実際に「必要です」と声を上げることが一番の近道になるのではないかとおもう。

以前から普及活動をされている
乳児用液体ミルクプロジェクトさんの署名ページは下記より
おでかけにも備蓄にも使える便利な乳児用液体ミルクを、日本でも製造してください!

もし実現に向け賛同していただける方は、こちらもご協力お願いいたします。
アンケート・乳児用液体ミルクについて

ジョインハンズのママ目線の防災情報ページは
こちら