先日、とあるペンションに泊まったら
見たこともないエイリアンのような虫の死骸が・・・・・
生まれてはじめてみた「ゲジゲジ」でした。
既に死んでいるのにティッシュでつかむことさえ怖くてできません。
すると子どもたちが
「めっちゃ気持ち悪いけど、良い虫なんやで」
「えきちゅう、っていうの」
「害虫を食べてくれるけど、見た目がきもいから嫌われてるかわいそうな虫」
などと説明をはじめました。
「そうなの?毒ありそうだけど、ないの?」と聞くと
「ないけど、きもいよね~」とケタケタ笑って、まじまじと観察していました。
「確かに、気持ち悪いから嫌いってのと悪い虫ってのは違うかもね・・・」
「そうそう、もし毒があっても、意地悪じゃないから。蚊は腹立つけど!」
なんてお話をして、ゲジゲジの死骸を包みました。
子どもたちは別に虫博士でもなんでもありません。
動物に詳しいわけでもありません。
でも、この本から得た知識であることは間違いありません。
みなさんにおススメの良書をご紹介します。
ちいさないきもの くらしとかいかた
ひかりのくに株式会社 定価800円+税
ISBN-10: 4564203045
ISBN-13: 978-4564203046
この本は図鑑とも実用書ともいえるフルカラーの本です。
生態・飼育・図鑑の3段方式で
「いきものが好きになってほしい」「好きになったらたのしいよ」と
いう気持ちがビシビシと伝わってくる愛のある一冊です。
とにかく情報量がすごいので、園児から小学校の高学年くらいまで楽しめると思います。
園児は図鑑をみたり、大きな絵を見ながら楽しむことができますし
小学生になれば、実践したり生態を学ぶこともできるでしょう。
私がこの本が好きな理由はこんなところにあります。
ザリガニのむねを上からそっとつかむとはさまれない。
でも、一度はさまれてみよう。
こんな事書いてくれる(言ってくれる)いきものに詳しい大人が側にいたら
子どもたちはどんなに楽しいでしょう。
他にはこんなことも。
なんとフナ虫の飼い方のページです。
つい見すごしたり、気にもかけなかったフナムシでも、飼ってみるとだんだん友だちになれる。
みんなに少しきみ悪がられているフナムシも飼ってみよう。
長いヒゲを動かしたり、14本の足で歩き回ったり、殻を脱ぐとき
前と後ろ半分ずつ脱いだりするのがわかる。
ヘビの飼い方のページには
ヘビの仲間はどの生き物よりも、みんなに嫌われ恐ろしがられています。
でも人間がいじめたりしなければ噛みつきません。
飼い方に関してはかなり細かく、レイアウトや餌のやりかた
難易度の高いいきものはなぜ飼うのが難しいかなども解説されています。
また、飼うのが難しいものは4日くらい飼ってみて
元の場所に戻そう。
などというアドバイスもあります。
そして子どもたちの言っていたページもありました。
この本はいきもの賛歌の本なので
あまり「危険」とか「ダメ」という説明はありません。
ヘビやムカデのページも「噛まれる事くらいあるよ」位の
おおらかな解説です。
消毒の方法なども書いてあります。
こんな写真も面白いですよね!↓
極め付けには
ミミズ・ボウフラ・ゴキブリの飼い方まで載っています!
そう、たしかに嫌われているけど身近ないきものですよね。
可愛い、飼いやすい、人気のある生き物だけを抜粋した
幼児向けの図鑑はたくさん見てきましたが
こうやって図鑑の中で
生き物と人間のあり方を考えさせるような本には初めて出会いました。
ここに想いが書いてあります。
他にも
カタツムリはなぜ種類が多いのか
ザリガニの冬眠姿
ストッキングを使った網の作り方
などなど
面白い情報がいっぱいです。
なんだか早く暖かくなっていますぐ外にでて
小さな生き物を探したくなるような
そんな素敵な本です。
こちらシリーズになっていて
むし・どうぶつ
もあります。
この内容で800円は破格だと個人的には思います。
自然が近くにあり、夏に遊ぶといろいろ持って帰ってくる
自然のちかくに住む子供たちにはもちろん、
生き物にふれる機会の少ない都心の子どもにもおススメです。